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父が亡くなり遺産分割協議を終えた後に、父の子どもと名乗る人(私の腹違いの弟)が現れた。遺産分割協議の効力はどうなるのですか?

2021.09.21

 父が亡くなりました。私と母とで遺産分割協議を行い、母が父の相続財産のすべてを相続することにしました。しかしその後、私の腹違いの弟、すなわち父の子であることを称する方が現れました。父の子であることを認知する旨の判決も出ました。この場合、私と母とで行った遺産分割協議の効力は、どうなるのでしょうか。

 遺産分割後に死後認知がなされても、被認知者は遺産分割のやり直しを求めることはできません。ですので、遺産分割協議は効力を失いません。しかし、被認知者は価額の支払請求を他の相続人に対して行うことは可能です。

【解説】

 遺産分割は、複数の相続人の「共有」に属する相続財産を、各相続人に帰属させる総合的で包括的な手続ですので、相続人全員について権利関係を合一的に確定する必要があります。そのため、相続人の一部を除外して行われた遺産分割は、協議・調停・審判ともに、原則として無効とされています。遺産分割をする際は、被相続人の戸籍を出生時まで遡るなどして、相続人の範囲を調査し、漏れなく相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
 しかし、遺産分割開始時に戸籍を確認しても相続人であることが判明しないこともございます。その典型例が、本件のご相談のような、死後認知がされた場合です。生前に認知がされていなかった以上、被相続人の戸籍を出生時まで遡っても、被認知者が被相続人の相続人であることは判明しません。
 この場合、前述の遺産分割協議に相続人全員が参加しないといけないという原則からすると、遺産分割協議のやりなおしを強いられることとなるものと思われます。しかし、遺産分割協議を終えて既に不動産の登記が変更されていたり、新たな権利関係が築かれていたり等、遺産分割協議のやりなおしをすることで様々な支障が発生したり等、遺産分割協議を行った相続人にとって酷な事態となることもございます。そのような事態を避けるためにも、死後認知が行われても、遺産分割効力の維持は維持される、と法律で定められています。そして、被認知者の権利も保護するため、自身の法定相続分に従った金銭請求(価額の支払請求)をその他の相続人に対して行うことができる権利を、認めています。
 以上の通りですので、ご相談者の遺産分割協議の効力は、失われませんが、だからといって被認知者に対して何の対応もしなくてよいということにはならず、法定相続分に応じた金銭の支払いをする必要はございます。

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