遺言代用信託の活用

一般的な遺言

遺言を行えば、遺言者は、自身の死後における自身の財産の処分方法について一定程度決定することができます。しかし、一般的な遺言でできることは、自身の財産のうち、何を、誰に渡すかということにとどまります。

IMG_1512.JPG   相続した財産を、相続人がどのように使うか、どのように処分するかまで限定することはできません。
もっとも、自分が築き上げてきた財産を、相続人がどう使っていくかというのは、被相続人にとって非常に関心の高い部分です。

それを、「遺言代用信託」という制度を利用することで実現しえます。なお、銀行で、遺言書の作成・保管等の事業を遺言信託とよぶこともありますが、これとは全く異なるものです。

遺言代用信託は、信託契約の一種で、財産を管理する受託者と、当該財産から利
益を得る受益者を決めることで締結できます。

具体例

①先祖代々の不動産を今後も順次承継させたい場合

先祖代々承継してきた土地と家を、自身の生前は自身が、自身の死後は長男が、その長男の死後は長男の子が、その次は孫が・・・、というように使っていってもらいたい場合、受託者を長男、第一次受益者を自分、第二次受益者を長男、第三次受益者を長男の子として、遺言代用信託の契約を締結します。これにより、長男、長男の子は、順次、土地と家を承継させていくことができます。
 

②精神障害のある配偶者の生活を支えたい場合

精神障害をかかえる妻を、自身が有するマンションの賃料収入でこれまで介護してきたが、自身の死後も賃料収入で介護していきたいと思っており、それを長男に頼みたい場合は、長男を受託者、妻を第一次受益者に指定し、妻が死亡した場合は長男を第二次受益者に指定します。その上で、信託目的をマンションの管理運用することとし、収益費用を介護費用に充てることとして、遺言代用信託の契約を締結します。

この場合、夫が老齢により判断能力が無くなっても、夫が死亡したとしても、従前通り長男が管理運用を続け、介護費用に充てることができます。夫の死後は、妻が相続しますが、妻が重度の精神障害をもっていれば十分な活用は期待できません。この場合、成年後見制度の利用も考えられますが、成年後見人は被後見人の財産の管理が主たる業務であるため、円滑な運用を期待できない可能性があります。それに比べて、遺言代用信託を用いれば、長男に財産管理を任せ、なおかつ、その収益を妻の介護費用に充てることができます。
 

注意点

ここで紹介した以外にも、遺言代用信託にはさまざまな活用方法があります。もっとも、このように様々なメリットのある遺言代用信託ですが、一般的な遺言は新しく作ったものが優先されるため、比較的更新が容易であるのに対し、遺言代用信託はあくまで契約であるため、一度締結すると容易には内容を変更できないという点などデメリットもありますので、ご注意ください。
 

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