相続開始後に共同相続人がした財産の処分も遺産とみなされます

平成30年7月6日、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立し、同年7月13日に公布されました。
ここで新設された制度の一つに、相続開始後に共同相続人がした財産の処分を遺産とみなすという制度があります。
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現行の制度ですと、被相続人Xの遺産が、3000万の預金のみ、相続人は長男A、次男B及び長女Cのみであったという場合に、長男AがXの死後に勝手に1500万円を引き出してしまった場合には、遺産となるのは、残額の1500万円のみとなり、勝手に引き出された1500万円については、BとCが不法行為に基づく損害賠償請求もしくは不当利得に基づく返還請求をする必要があります。

しかし、このような訴訟提起をしなければいけないという負担そのものに加え、仮にAが1500万円を全て使い切ってしまった場合には、回収ができないリスクすらあります。

このような結果はあまりにも相続人間の不公平を招く結果となります。
そこで、今回の改正によって、処分された財産につき遺産に組み戻すことについて処分者以外の相続人の同意があれば、処分者の同意を得ることなく処分された財産を遺産分割の対象に含めることが可能になりました。

すなわち、上記の例だと、BとCが勝手に引き出された1500万円を遺産に組み戻すことについて同意していれば、Aの同意を得ることなく遺産に含めることが可能となります。

これにより、A、B、Cは通常どおりそれぞれ1000万円ずつ取得できることになるので、Aは余計に受け取っている500万円を、代償金としてBとCに250万円ずつ支払わなければならないということになります。

この制度は2019年7月1日より施行されます。
この制度の創設により、遺産分割前に処分されてしまった財産の不公平な取り扱いを是正することができるようになりますので、相続開始後に遺産を勝手に処分されたことが疑われる場合には、是非とも弁護士にご相談いただければと思います。

※なお、この制度はあくまで相続開始後に勝手に相続人の一人が財産を処分した場合に用いることができる制度です。被相続人の生前に、世話をしていた相続人の一人が預金を使い込んでいたという事案では使うことができませんので、ご注意ください。

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